フォルスターフタマタクワガタ(キヨタミ)
Hexarthrius kiyotamii
スマトラ島に分布するフタマタクワガタの仲間。二股に分かれる大アゴが特徴で、独特の造形美を楽しめる大型種です。
フォルスターフタマタクワガタ(キヨタミ)のペアリング(顎縛り)
フタマタクワガタ系の二又に分かれた大アゴは、ペアリング時にメスを挟んで傷つける危険性が高い。顎縛りはフタマタ系ブリードにおける必須の安全対策。特殊な大アゴ形状に対応した縛り方のコツを押さえることが重要。
顎縛りに用意するもの
結束バンド(ダイソー 10cm 100本入り)
ダイソーで手軽に入手できる10cm幅の結束バンド。1回の顎縛りで3本使用する。
精密ニッパー
顎縛り完了後に余分なバンドの端をカットするために使用。スパッと根元から切れる精密ニッパーが最も扱いやすく推奨。
クリアースライダー(ペアリング用ケース)
幅18.1×奥行き12.4×高さ10.0cmのコンパクトなプラケース。オスとメスを入れるペアリング専用ケースとして扱いやすいサイズ。
成熟したオス個体
羽化後十分に成熟し後食が確認できた個体を使用する。成熟不足の個体はペアリング意欲が低く、産卵失敗の原因になる。目安として羽化後2ヶ月ほど経過し餌を2週間ほど与えたらオスメスともに性成熟していると考えていいと思う。

顎縛りの手順
道具とオスを準備する
結束バンドとニッパーを手元に準備する。後食確認済みの成熟オスを選び、作業しやすい平らな場所で行う。

結束バンドを3本取り出す
1回の顎縛りで結束バンドを3本使用する。まとめて3本取り出しておく。

3本のうち2本で輪を作る
取り出した3本のうち2本を使い、それぞれ直径5〜8mmほどの輪を作った状態にしておく。輪の大きさは生体の顎の太さに合わせて調整する。残り1本は後のステップで使用する。

両方の大歯にそれぞれ輪を通す
先ほど作った2本の輪を、左右それぞれの大歯に1本ずつ通す。このとき結束バンドの髭先(余った端)は画像のように上を通って外側に流れるよう向きを整える。

余った1本を上から通す
残りの1本を大歯の上から上翅側に向かって通す。利き手側の大歯から先に通すと作業しやすい。

もう一方に下から通す
3本目の結束バンドが生体に対して直角に向くように、下側から結束バンドを通す。

大歯の上部でロック
この段階ではまだきつく締めず、ゆるく3本目のバンドが外れないようにロックしておく。

ゆっくりバンドを締める
大歯を傷つけないよう両サイド→真ん中の順にゆっくり輪っかを絞っていく。

余った髭先を切断し完成
大アゴが均等に固定され、メスを挟めない状態になっているか確認する。両サイドを切る際は誤って触覚を切らないように特に注意する。

ペアリングケースに投入する
顎縛りが完了したオスをクリアースライダーに入れ、続いてメスを投入する。交尾確認後は数日以内にオスを取り出し、顎縛りを解除して通常管理に戻す。

顎縛り時の注意点
結束バンドの締めすぎは大アゴの付け根を傷つける原因になる。固定後はオスが正常に歩けるか確認すること。顎縛りはペアリング(1〜3日)の間だけ使用し、終了後は必ず解除する。長時間の顎縛り放置は厳禁。ペアリング中も数時間おきに様子を観察し、メスへの攻撃の有無を確認する。